2012年02月12日

H.G.ウェルズ
『透明人間』
 (偕成社文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

イギリスの作家H.G.ウェルズの小説「透明人間」。今回取り上げた偕成社文庫の「透明人間」の帯には「池上彰さんが少年時代に夢中になって読んだ本」と書いてありますが、池上さんのように子供の頃に読んだ思い出のある方も多いのではないでしょうか?発表されたのは今から115年も前の1897年。物語は2月の寒ざむとしたある日、「駅馬車亭」という村の宿屋に謎の男がやってくるところからはじまります。分厚い手袋をはめ、頭のてっぺんから爪先まですっぽりと服に包まれている男。宿のおかみが雪に濡れた服を暖炉で乾かそうとするとびっくり仰天。なんとその顔は、真っ白な包帯でおおわれていたのです。

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