2012年02月05日
三浦綾子『氷点』(下) (角川文庫)

なかなか心を通わせることができない辻口夫妻を中心に人間の罪を描いた小説「氷点」。しかし物語の主人公とは違って、作者である三浦綾子さんは、ご主人と素晴らしい関係を築きながらこの作品を書き続けていきました。結核や脊椎カリエスなど、三浦綾子さんが病気で苦しまれていた頃に出会った三浦光世さんと1959年に結婚。その後、朝日新聞の懸賞小説の応募作として「氷点」を書き始めます。応募することを決め、最初に浮かんだ物語の構想もすぐにご主人に話されたとか。書き始めてからも出来上がった部分をまず読んでもらい、さらに題名もご主人のアイデアだったそうです。「氷点」は三浦夫妻の愛の結晶とも言えるベストセラーです。

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