2012年02月05日

三浦綾子『氷点』(下) (角川文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1964年12月からおよそ1年間、朝日新聞の朝刊に連載され、今でも読み継がれているベストセラー小説・三浦綾子さんの「氷点」。今週は物語の後半、台風の夜に転覆してしまった連絡船に乗っていた病院の院長・辻口啓造が助かったところから読んでいきました。船には宣教師が乗っていて、胃けいれんを起こした女性に自分の救命具を与え、亡くなってしまうのです。それを知った辻口啓造は生きることに感謝をしなければと思うようになります。しかし妻・夏枝を疑う気持ちは消えず、抱えた両方の想いに張り裂けそうな日々を送ります。一方・夏枝はさらに人間の醜い部分をさらけだし、養女である陽子へ辛くあたるようになっていきます。 ...続きを読む

【三浦綾子記念文学館】
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