2011年10月23日
モーリス・ルブラン
『怪盗紳士』
 (ポプラ文庫クラシック)

今回取り上げたのは、ポプラ文庫クラシックから出版されている「怪盗ルパン全集」。ファンにとっては懐かしい牧秀人さんの絵によるクラシックな装丁のシリーズです。その表紙には、原作ルブランと小さく書いてあり、その横に大きな文字で「南洋一郎」と入っています。実はこの本は、ルブランが書いた作品の完訳ではなく、南洋一郎という人物がルブランの作品をさらに面白くするために、エピソードを削ったり付け足したりしているのです。南洋一郎さんは昭和33年からポプラ社の企画で20年以上「怪盗ルパン全集」を手掛けたとか。日本に「怪盗ルパン」のファンが多いのも、南洋一郎版のシリーズが面白かったからと言われています。

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