2011年08月07日
河合隼雄
『泣き虫ハァちゃん』
 (新潮文庫)

河合隼雄さんと小川洋子さんは「生きるとは、自分の物語をつくること」という本も出版されています。しかし残念ながらお二人の対話は貴重なものになってしまいました。その後、河合隼雄さんは脳梗塞で倒れられ、意識が戻らないまま11ヶ月後の2007年7月19日に亡くなられています。「泣き虫ハァちゃん」も連載中だったため未完のまま。新潮文庫の「泣き虫ハァちゃん」には、奥様の河合嘉代子さんがこんな言葉を寄せられています。「夫はこれまで思い出というものを書かない人でしたのに、なぜこの本を書いたのでしょう」人の話を聞くことを生涯されていた河合先生。やっと最後に自分のことを書かれたのかもしれません。

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