2011年06月19日
トーべ・ヤンソン
『たのしいムーミン一家』
 (講談社文庫)

ムーミンシリーズの第一作は「小さなトロールと大きな洪水」という物語。これが書かれたのは第二次世界大戦が終わった1945年のことでした。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンは、30歳の頃までたくさんの戦争を経験したそうです。第一次世界大戦、隣国ロシアとの戦争、そして第二次世界大戦。その経験を通して生まれたのがムーミンのお話でした。実際に物語を読むと、ムーミンたちの間に争いは起きません。個性豊かな登場人物がお互い尊重しあい、自由を愛して暮らしているのです。平和がいかに大切で、人の心を豊かにしてくれるものなのかを教えてくれるムーミンの物語。だからこそ世界中で読み継がれているのでは?

...前に戻る