2011年01月02日
今昔物語集
(角川ソフィア文庫ビギナーズクラシックス)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

お正月には古典文学に親しもう。そんな想いで選んだ「今昔物語集」。平安時代の末期に成立したと言われる日本最大の説話集です。収められている話の数は、なんと千数十話。そのひとつひとつが「今は昔」という言葉ではじまります。日本だけでなく、当時「天竺」と呼ばれたインドや中国の話も含まれていて、最初に登場するのが「お釈迦様」の話。釈迦がブッダになる前の物語です。今回テキストに選んだ角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックスの解説を担当された武田友宏さんによると、「今昔物語集」は、仏教伝来の経路に沿ってインド・中国・日本の三部構成になっているので、仏教の開祖シャカの誕生からはじまるのは当然のことだそうです。

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