2010年12月19日
ローラ・インガルス・ワイルダー
『大きな森の小さな家』
(福音館文庫など)

「大きな森の小さな家」を読むと、アメリカ開拓時代の暮らしが伝わってきます。まず第一章は少しずつ寒くなる季節。冬のくる前に、できるだけ沢山の食料を小さな家に貯蔵しなくてはなりません。鹿を捕って燻製にしたり、豚からソーセージやハムを作ったり。終わりのない仕事を、父さんは、家族のために頑張ります。そして一番幸せな時間は、父さんの演奏するバイオリンと歌を聞きながら過ごす夜。主人公ローラもベッドの中で幸せに包まれて眠ります。「大きな森の小さな家」は、人間の幸せとは何かをあらためて考えるきっかけにもなります。不便なことは決して不幸ではない。その中で家族が強く結ばれていくこと。そこに幸せの原点があるのかもしれません。

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