2010年12月12日
井原西鶴『世間胸算用』
(西鶴名作集)

(講談社 21世紀版少年少女古典文学館)

今回テキストに選んだのは、講談社の21世紀版少年少女古典文学館のシリーズから出ている「西鶴名作集」。作家の藤本義一さんが、井原西鶴の世界を現代の言葉でわかりやすく伝えて下さっています。この本の最後に掲載されている藤本義一さんの「西鶴と私」という文章には、「すべての文学は西鶴から出発する。」という言葉が出てきます。実際に「夫婦善哉」を書いた作家の織田作之助も西鶴に傾倒していたとか。そして彼も「世間胸算用」を現代語に訳しています。「経済と文学をマッチさせて、さらに笑えるのが素晴らしい。」と小川洋子さん。「世間胸算用」を読むと、上方文学の原点が井原西鶴にあることをあらためて感じます。

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