2010年12月05日
メーテルリンク『青い鳥』 (新潮文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「青い鳥」というとチルチルとミチルの兄妹が、青い鳥を探しに出かける物語として知られています。しかし原作が戯曲だということを知っている人は意外と少ないのでは。ベルギーの詩人で劇作家メーテルリンクが1908年に発表した作品です。この戯曲を読むと驚くことがいっぱい。まず最初に書いてあるのが衣装のこと。チルチル、ミチルをはじめ、登場人物の衣装が細かく記されています。続いて登場人物の名前が並んでいるのですが、その数の多さにまたびっくり。そして読み進めていくと、その想像力の豊かさ、詩のような言葉の輝き。メーテルリンクは、この作品をきっかけにノーベル文学賞も受賞しています。

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