2010年11月07日
石井好子 『巴里の空の下
オムレツのにおいは流れる』

 (暮しの手帖社)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

日本を代表するシャンソン歌手・石井好子さん。大正時代に東京で生まれ、東京芸術大学声楽科を卒業後、日本で歌う仕事をされていました。その後、サンフランシスコに留学。さらに昭和27年、30歳の時にフランスへ。3年間パリを拠点に音楽活動をされたのち帰国。パリで出会った味や自分が作るお気に入りの料理などをエッセイにして、季刊誌「暮らしの手帖」に連載されるようになります。それを1冊にまとめたのが「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」。石井さんの洗練された文章には温かさが溢れていて、読むだけでオムレツのにおいを感じることができるほど。日本エッセイストクラブ賞も受賞されています。

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