2010年08月08日
井上ひさし『父と暮せば』 (新潮文庫)

「あの二個の原子爆弾は、日本人の上に落とされたばかりではなく、人間の存在全体に落とされたものだと考える・・・。」井上ひさしさんは、戯曲「父と暮せば」の前口上でこう書かれています。さらに「あの地獄を知っていながら、‘知らないふり’することは、なににもまして罪深いことだと考えるから書くのである。」とも綴られています。現在、戯曲「父と暮せば」は、英語、ドイツ語、中国語、ロシア語、アラビア語などに翻訳され、それぞれの国の言葉で上演されているそうです。100年後も、200年後も、戯曲「父と暮せば」を手に取る人がいる限り、井上ひさしさんの想いは世界中のあらゆる人の心に生き続けるのではないでしょうか?

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