2010年07月18日
上橋菜穂子
『狐笛のかなた』
 (理論社、新潮文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

4年目を迎えたアニバーサリー月刊としてリクエスト特集をお届けしている7月の「メロディアス・ライブラリー」。今週は、沢山いただいたリクエストの中から、ベストセラー作家・上橋菜穂子さんの小説「狐笛のかなた」を取り上げました。物語の主人公は、小夜という少女。彼女は、人の心が聞こえる不思議な力を持っています。ある晩、小夜は、森の中で犬に追われ、傷を負った1匹の子狐を助けました。しかしそれは呪者に使い魔にされた狐。この世と神々が住む世の境目にある「あわい」と呼ばれる深い森に住む霊狐だったのです。そのことをきっかけに、小夜は、争う二つの国の因縁に巻き込まれていくのです。

...続きを読む