2010年06月27日
カポーティ
『ティファニーで朝食を』
 (新潮社)

長年、日本でも読み継がれてきた「ティファニーで朝食を」。2年前には村上春樹さんの新訳も出版されました。これまでにも「あるクリスマス」などカポーティの作品を翻訳されてきた村上春樹さん。「ティファニーで朝食を」のあとがきには、「内容に負けず劣らず、その文体がひとつの大きな魅力である。」とこの小説について書かれています。今回、あらためて読んで小川洋子さんも「癖がない文章で、書き手のオリジナルな色が付いていないところが魅力。」と感じたとか。私生活ではたくさんのエピソードを残したカポーティも、小説の上では自分の個性を優先させず、主人公の魅力をどう伝えるかに徹したのかもしれません。

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