2010年06月06日
J・M・クッツェー
『鉄の時代』
 (河出書房新社)

作家J.M.クッツェーが小説「鉄の時代」を書いたのは1986年から89年。南アフリカで40年間続いたアパルトヘイト体制が崩れようとしている頃でした。アパルトヘイトとは、白人とそうでない人たちとを差別的に規定した人種隔離政策。そして「鉄の時代」が刊行された1990年は、反アパルトヘイト運動の闘士で、国家反逆罪により終身刑となっていたネルソン・マンデラが釈放された年でした。今回、取り上げたのは河出書房新社の世界文学全集からの1冊。翻訳をされた「くぼたのぞみさん」による詳しい解説も掲載されています。この小説を読むと、南アフリカについて感じることもできるはず。ワールドカップ開催中にぜひ手にとってみて下さい。

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