2010年03月28日
テネシー・ウィリアムズ
『ガラスの動物園』
 (新潮文庫)

1944年12月、アメリカのシカゴではじめて上演された舞台「ガラスの動物園」。その公演は大成功に終わり、テネシー・ウィリアムズは高く評価されるようになりました。日本でも1950年の初演以来、幾度となく上演され続けているのは、親子や家族という普遍的テーマがそこに流れているからです。「ガラスの動物園」は、テネシー・ウィリアムズの自伝的作品とも言われています。つまり主人公トムが彼そのもの。テネシー・ウィリアムズが心に抱える姉ローズや家族への想いが込められています。「作者自身が本当に流した涙が反映されている。」と小川洋子さん。この戯曲が上演され、読み継がれている理由もそこにあるのかもしれません。

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