2010年03月28日
テネシー・ウィリアムズ
『ガラスの動物園』
 (新潮文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

舞台上演のために書かれた戯曲を、本として読む楽しみもあるもの。今回、取り上げた「ガラスの動物園」もそう感じる作品です。「欲望という名の電車」「やけたトタン屋根の猫」などの戯曲を残したアメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズ。彼のデビュー作ともいえるのが「ガラスの動物園」です。1930年代のセントルイスを舞台に、母親と姉弟という家族を描いた作品。物語は弟トムの語りですすんでいきます。ト書きもセリフもモノローグも、すべてが美しく切ない文章。タイトルのようにガラス細工で出来たはかない世界です。戯曲は苦手と感じている方は、ぜひこの1冊から読み始めてみるのもいいのでは・・・。

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