2010年03月07日
山本周五郎『青べか物語』 (新潮文庫)

作家・山本周五郎は、千葉県の浦安に暮らしていたことがあります。大正15年、ぶらりとスケッチに出かけ、風景が気に入ったことからそのまま昭和4年まで住んでいたとか。その時の経験が「青べか物語」を生むきっかけになっています。つまり浦粕町は「浦安」。根戸川は「江戸川」。この小説を読むと、昭和のはじめの浦安がどんな場所だったかも感じることができるのです。山本周五郎が、浦安に住んでいた時に付けていた日記も残っていて、「青べか日記」として出版されています。「青べか物語」を読んだあと、この日記も手にとってみたくなるもの。日記には留さんなど小説の登場人物も出てくるので嬉しくなります。

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