2010年01月31日
大江健三郎『死者の奢り』 (新潮文庫)

大江健三郎さんが「死者の奢り」を発表したのは東京大学の学生だった1957年。これが文壇デビューとなりました。新潮文庫の「死者の奢り」には、文芸評論家の江藤淳さんの解説が掲載されていて、「処女作の通例にもれず、ここにこの作家のほとんどすべての主題の萌芽がかくさえていることにおどろかざるをえない。」と綴られています。さらに翌年、23歳の時に「飼育」で芥川賞を受賞されるなど、その後も現代文学を代表する作品を数々発表。1994年にはノーベル文学賞も受賞されました。大江健三郎さんの最新作は昨年12月出版の「水死」。こちらもぜひ読破したいもの。偉大な作家のデビュー作から新刊まで読むことができるのも読書の大きな楽しみです。

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