2010年01月24日
尾崎放哉全句集 (ちくま文庫)

明治18年、鳥取県に生まれた尾崎放哉。彼は14歳の頃から短歌や俳句を作るようになったそうです。「教場に机ばかりや冬休暇」。これは15歳の時に作ったもの。まだ自由律俳句ではありませんが、すでにその才能がうかがえる俳句です。25歳の時には、保険会社に就職。エリートでありながら、酒におぼれ36歳で退職。その後、肋膜炎を患い、京都や須磨のお寺を転々として、大正14年40歳の時に小豆島に辿り着きました。貧しく体調も悪く、苦しい毎日。しかしその頃に詠んだ自由律俳句には、素晴らしい輝きがあるのです。大正15年4月7日、41歳の若さで亡くなった尾崎放哉。最後に詠んだ句は「春の山のうしろから烟が出だした」。

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