2010年01月03日
幸田 文『きもの』 (新潮文庫)

作家・幸田露伴の次女として生まれた幸田文さん。しかし作家活動をスタートさせたのは、40歳をすぎてから。お父様が亡くなられて以後のことでした。ものを書く苦しみを、父を通して知っていたこともあり、文筆の道に対して嫌悪の気持ちまで持っていたとか。ところがそれが一変したのは、幸田露伴の死。お父様が亡くなったあと、人からものを書くことを次々に求められ、結局、その道に進むことになりました。「きもの」のような小説の他に、随筆も書かれていて、父・幸田露伴を語った「父・こんなこと」という文庫本も出ています。2010年の読書は、幸田文さんの小説や随筆でスタートしてみるのもいいのではないでしょうか?

...前に戻る