2009年12月20日
ウィーダ『フランダースの犬』 (新潮文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

テレビアニメとして日本で大ヒットした「フランダースの犬」。この物語の原作はイギリスの作家ウィーダが、1872年に発表した小説です。フランダースとはベルギーの北部地方。このフランダースの小さな村に住む少年ネロと愛犬パトラシエの物語です。心優しい少年ネロは、絵が大好き。偉大な画家ルーベンスにあこがれ、貧しい暮らしに耐えながら絵を描き続けています。テレビアニメと原作の物語には違う部分もあり、小説を読むとあらたな発見もあるはず。たとえば小説はパトラシエの視点で書かれた部分も多く、小川洋子さんも小説を読んで「これは犬のパトラシエが主人公である。」と感じたそうです。

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