2009年12月13日
松本清張
『或る「小倉日記」伝』 
(新潮文庫)

1950年、41歳の時に「週刊朝日」の小説コンクールで「西郷札」という作品が入選。その2年後に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞し、本格的に作家活動をスタートさせた松本清張。40代の遅いデビューですが、82歳で亡くなるまでの間に千点とも言われる作品を残しています。今年は、もうひとり太宰治も生誕100年を迎えていますが、同じ明治42年生まれの二人。しかしまるで違う作家人生を歩んでいきます。24歳の頃から小説を書き、39歳の若さでこの世を去った太宰治。41歳で処女作を書き、その後、41年間、精力的に作品を書き続けた松本清張。残した作品が伝えるものも、まるで違う文学の世界です。

...前に戻る