2009年11月29日
オスカー・ワイルド
『幸福な王子』 
(新潮文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

オスカー・ワイルドが残した世界的に有名な童話「幸福な王子」。この物語はこんなふうにはじまります。「ある町の高い円柱の上に幸福な王子の像が立っていました。全身が薄い純金で覆われ、目にはふたつのサファイア。刀のつかには、大きな赤いルビーが輝いています。ある夜、1羽の小さなつばめがこの町に飛んできて、幸福な王子の足元にとまりました。すると雨のようなしずくが、つばめの上に落ちてきたのです。不思議に思って、つばめが見上げると、幸福な王子が目に涙をいっぱいためてこう言いました。つばめさん、この刀のつかからルビーをはずして、ある人のところへ持って行ってくれませんか?」

...続きを読む