2009年09月27日
星野道夫『旅をする木』 (文藝春秋)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

アラスカに暮らし、アラスカを旅しながら数多くの作品を残した写真家の星野道夫さん。その作品は、写真だけではありません。エッセイなど素晴らしい文章を通して、星野さんが体験された大自然を伝えてくれています。そのひとつが、今週取り上げた「旅をする木」。文芸春秋から出版されているエッセイ集です。星野さんが過ごしたアラスカでの時間が風のように伝わってくる1冊。「行ったことがない場所なのに、なぜか懐かしさを感じる」と小川洋子さん。それはもしかしたら自分の祖先が見た風景。そしてこの本を読むことで、自分の遺伝子の中に刻まれた遠い記憶が目覚めるのかもしれません。

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