2009年06月21日
ジェームズ・バリー
『ピーター・パン』
 (新潮文庫)

「小説のピーター・パンには二つのテーマが描かれている」と小川洋子さん。ひとつ目は「赤ん坊とはなんだろうか」。そして二つ目は「死んでしまった子供はどこへ行ってしまうのだろうか」ということ。ではなぜジェームズ・バリーはこのテーマで小説「ピーター・パン」を書いたのでしょうか?実は作家バリーはもともと10人兄弟の下から2番目として育ちました。しかしある日、2番目のお兄さんがスケートの事故で亡くなってしまったそうです。そのことが心の中にずっと残っていたバリー。大きくなれなかった兄のために。そして兄の死を受け入れられなかったお母さんのために、彼は「ピーター・パン」という存在を生み出したのです。

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