2009年05月24日
イプセン『人形の家』 (岩波文庫 ほか)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

メロディアス・ライブラリーで戯曲を取り上げるのは今回が2度目。まずは戯曲を読むために大切なのはその時代を知ることです。ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンが「人形の家」を発表し、はじめて上演されたのは1879年のことでした。この時代は今以上に男性中心の社会で、どの国でも女性に参政権が与えられていませんでした。さらに女性が借金をすることもできなかった時代。しかしこの物語の主人公ノーラは、夫に内緒でお金を借り、しかも保証に使うための署名を偽造することになってしまったのです。そのことを知って激怒する夫。それがきっかけでノーラはあらたな人生の1歩を踏み出す決意をするのです。

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