2009年05月03日
エーリヒ・ケストナー
『エーミールと探偵たち』
 (岩波少年文庫)

「エーミールと探偵たち」とともに読んでみたいのが「わたしが子どもだったころ」というケストナーの自叙伝。まずその表紙に載っているケストナーの少年時代の写真がまさにエーミールそのものです。そして本篇を読むと、エーミールのお母さんと同じようにケストナーの母親も美容師さん。さらにケストナーのお父さんの名前が、なんとエーミール。つまり自分のはじめて書いた児童文学の主人公に、父親の名前を付けていることがわかります。「子供時代に幸福な記憶があるからこそ、読者にも幸せを伝えられるのでは。」と小川洋子さん。大人が読んでも幸せな時間を感じることができる「エーミールと探偵たち」です。

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