2009年04月12日
レイチェル・カーソン
『センス・オブ・ワンダー』
 (新潮社)

海洋生物学者でありながら、レイチェル・カーソンが綴る文章は硬くなく、まるで朝露のようなきらめきを持ち、寄せる波のように心に響いてきます。子供の頃から作家になることを夢見ていたというレイチェル。だからこそ学者の視点で見つめた事を、豊かな言葉で伝えることが出来たのでしょう。レイチェル・カーソンは「沈黙の春」を発表した当時、すでにガンに侵されていて、最後の仕事として「センス・オブ・ワンダー」にとりかかりました。しかし出版することなく、1964年4月14日56歳でこの世を去ってしまいます。友人たちは、生前のレイチェルの夢を果たすため、亡くなった翌年この「センス・オブ・ワンダー」を出版したのです。

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