2009年02月22日
山田詠美『放課後の音符(キーノート)』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

24年前「ベッドタイムアイズ」で衝撃的なデビューを飾った山田詠美さん。大人の恋愛を得意とする印象ですが、その一方で10代の揺れ動く心も見事に描く作家です。今週取り上げた「放課後の音符(キイノート)」(新潮文庫)は、まさにその代表作。大人でも子供でもない17歳という年齢。そんな女子高生たちを主人公に8つの短編小説が収められています。この物語の主人公と同じ年頃の人たちにはぜひ読んでもらいたい1冊。特に山田詠美さんが最後に綴っている「放課後が大好きな女の子たちへ(あとがきにかえて)」は、大人の胸にも響くメッセージです。今、17歳、そしてかつて17歳だったすべての人へ。それが「放課後の音符」です。

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