心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
北杜夫さんが昭和35年(1960年)に発表し芥川賞にも輝いた小説「夜と霧の隅で」。このタイトルにも入っている「夜と霧」というのは、ナチス政権下のドイツで、1941年に出された特別命令のこと。ユダヤ人をはじめとする非ドイツ国民を一夜のうちに拘束し、霧のように消し去るというものです。その「夜と霧」の嵐が吹き荒れる中、ある指令が下されました。それは不治の精神病患者を安楽死させるというもの。北杜夫さんの小説「夜と霧の隅で」には、その指令に抵抗して不治の患者を救おうとする精神科医たちの苦悩が描かれています。1月27日のアウシュヴィッツ解放記念日にちなんで、この作品を選んでみました。
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