2009年01月11日
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』

ゲーテの「若きウェルテルの悩み」は、文学の歴史でも重要な1冊と言われています。それはこの作品が近代文学のはじまりを告げているから。「若きウェルテルの悩み」を翻訳された高橋義孝さんのあとがきによると「18世紀の小説は、読者に娯楽を提供し教訓を与えることを目的としていた。それに対して「ウェルテル」は、根源的に人間の生き方そのものを問題にしようとした。」つまり「若きウェルテルの悩み」は、それまでの小説の常識を打ち破る作品だったという訳です。発表から235年。今もなおこの小説が読み継がれているのは、人間の心の奥底にある問題が18世紀も21世紀もほとんど変わっていないという表れなのかもしれません。

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