心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
異例のベストセラーとなっている小林多喜二の「蟹工船」。新潮文庫では、今年前半だけでも40万部を増刷。例年の100倍の勢いで売れています。そのヒットのきっかけは、今年のはじめ作家の高橋源一郎さんと雨宮処凛さんの対談によるもの。雨宮さんが「蟹工船を読んで、今のフリーターと状況が似ている」と語ったことから、若い人たちの間で再び読まれるようになりました。その人気を受けて、番組でも取り上げてみると、その文学的魅力をあらためて実感。「情景描写も美しく、内面の苦悩もしっかりと描かれ、文学的に優れているからこそ、今も多くの人の心をとらえるのでは」と小川洋子さんも感じたそうです。
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