2008年5月4日 | |||
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中勘助の「銀の匙」の素晴らしさを、最初に認めたのは夏目漱石でした。「子供の世界の描写として未曾有のもの」と賞賛したそうです。大正2年から3年にかけて、東京朝日新聞にも「銀の匙」は連載されていましたが、これも夏目漱石の推薦によるものでした。ではもし中勘助が夏目漱石に出会っていなかったら、「銀の匙」という作品はどうなっていたのでしょうか?「優れた作品を書くだけでなく、優れた読み手に出会うのも、作家にとって大切な運命」と小川洋子さん。だからこそ、発表から95年たった今でも、私たちは「銀の匙」という素晴らしい作品を読むことができるのです。 |