心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
マルグリット・デュラスの誕生日を前に、彼女の代表作「愛人(ラマン)」を選んでみました。フランスの作家ですが、生まれは南ベトナム。デュラスが生まれた1914年当時のベトナムはフランス領インドシナでした。その場所で18歳まで過ごしたデュラス。「愛人(ラマン)」はインドシナを舞台に、15歳の少女の愛と性が描かれていますが、まさにその主人公はデュラスそのものです。この小説が発表されたのは1984年。その後、世界的ベストセラーとなり、1992年には映画も公開されています。日本でも映画とともに小説が大ヒット。フランス文学がこれほどまでに日本でベストセラーになるのは、はじめての事でした。
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