心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
川上弘美さんの「蛇を踏む」。1996年の芥川賞受賞作です。「主人公は、カナカナ堂という数珠屋で働くヒワ子という女性。ある日ヒワ子は、出勤の途中に公園で蛇を踏む。するとその夜、ヒワ子が家に戻ると部屋はきれいに片付いていて、50歳くらいの見知らぬ女性が座っていた。それは蛇が姿を変えたもの。そこからヒワ子と蛇の同居がはじまっていく。」というなんとも奇妙な物語。しかし読み始めるとその不思議な魅力にとりつかれ、最後まで一気に読みきってしまう短編小説です。教科書的な読み方から解放され、感覚に訴えてくる文学と小川洋子さん。小川さんも一読者として川上作品のファンだそうです。
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