2008年2月3日
清少納言 『枕草子』

「枕草子」を書いた清少納言という女性。その生涯などはわからない部分も多いとか。しかし「枕草子」を読むだけでそのキャラクターが伝わってきます。美意識の高さ、観察力のするどさ、いさぎよさ。特に興味深いのは女性の生き方に対する美学。第21段にこんな内容を残しています。「ただ一途に夫にすがって、いつわりの幸せに安住している女はばかみたい」。それは1000年前とは思えない価値観。時代はどんなに移っても、人間の精神は変わらないことも「枕草子」は教えてくれます。「今で言うなら雑誌の人気コラムのよう」と小川洋子さん。古典は敷居が高いと思わず、気軽に読み始めてみるといいのでは。

...前に戻る