心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
「立春」を前に取り上げたのは清少納言の随筆集「枕草子」。この作品の有名な書き出し「春は、曙」にちなんで選んでみました。平安時代の中期、1001年頃に成立したと言われる古典の代表作。学校の授業で誰もが触れるこの作品を改めて読んでみると、あらたな発見がたくさんあります。まず「春は、曙」ではじまる第一段の素晴らしい内容と文体。およそ400字の中に日本の四季が見事に表現されています。「清少納言の文才はもちろん、昔、紙が貴重だったからこそ、これほどまでに研ぎ澄まされた文章が書けたのでは。」と小川洋子さん。「枕草子」の無駄のない言葉は、何度読んでも名文だと感じます。
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