2008年1月6日
有吉佐和子 『和宮様御留』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今年最初を飾る作品は有吉佐和子さんの代表作「和宮様御留」。この小説の舞台は日本が開国を迫られていた幕末。朝廷と幕府がひとつになって国の大事を乗り切ろうと「公武合体」を唱えていた時代です。そこで持ち上がったのが皇女和宮を江戸幕府に嫁がせるという話。それは和宮様本人だけでなく、そばに仕える女性たち、そしてある一人の少女フキの運命までも巻き添えにしていきます。和宮様の育ったお屋敷の下女であったフキは、なんと和宮様の身替りにさせられてしまうのです。「和宮様は替え玉だった」というショッキングなテーマを扱ったこの作品。1978年のベストセラー、その後ドラマにもなりました。

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