2007年11月4日
ベルンハルト・シュリンク 『朗読者』

「ある日突然、ミヒャエルの前から姿を消してしまうハンナ。その後、何年かたって二人が再会するのは、ナチス時代の強制収容所にまつわる裁判の法廷。ハンナは被告人として立っていたのです。」

この「朗読者」を書いたベルンハルト・シュリンクは、1944年生まれ。彼が、第二次世界大戦が終る1年前に生まれた作家であることも大きな意味を持っています。「朗読者」の舞台となる戦後のドイツ。ナチズムという前の世代が犯した罪を、次の世代がどう受け止めているのかも描かれています。小川洋子さんセレクションの「朗読者」。小川さんが愛する「アンネの日記」とともに読むと、そのテーマの深さがさらに伝わってくるのです。

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