2007年10月28日
キャサリン・マンスフィールド 『園遊会』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

キャサリン・マンスフィールドの短編小説「園遊会」。原題は「ザ・ガーデン・パーティ」です。1922年に発表された作品ですが、今もなお世界中で読み継がれ、小川洋子さんも大好きな作品のひとつ。特に主人公ローラの人間的な魅力にひかれるそうです。
物語の当日は、家の庭で母親の主催するガーデン・パーティが開かれる日。しかしそこにある知らせが。家のすぐ近くに住む「荷馬車屋」が亡くなったというもの。ローラはパーティが終ったあと、その男の死体に対面し人間の美しさを発見。その瞬間、彼女は少女から大人になっていくのです。人間の本質を見抜く力を持っていながら、自分の賢さに気づいていないローラ。彼女のキラキラした心を通して、人生の深淵が描かれています。

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