2007年9月30日
ボリス・ヴィアン 『うたかたの日々』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

フランスの作家ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」。パリに暮す青年コランと美しく繊細な少女クロエの物語。二人は出会ってまもなく結婚をして幸せの絶頂にいました。しかし二人に訪れた悲しい現実。なんとクロエは、肺の中に睡蓮が生えてくるという奇病におかされていくのです。この作品を小川洋子さんが最初に読んだのは大学生の時。その既成概念を打ち破る作風に強くひかれたそうです。早川書房の「うたかたの日々」に掲載されている小川洋子さんの解説にも、こんな言葉が綴られています。
「今まで出会ったことのないきらめきに目を奪われ、立ちすくんでいる間に、いつしか読み手は迷路へと導かれる。」

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