2007年8月26日
フランソワーズ・サガン
『悲しみよ こんにちは』

この小説でデビューしたサガンは当時18才。文庫本のページをめくると、最初に出てくるのがサガンのポートレート。ショートカットでタートルネック。眼差しはするどく、でもどこか幼さが残る表情。その存在は、主人公セシルと重なります。「その年齢の只中にいる人にしか、その気持ちは書けない」と小川洋子さん。サガン自身が18才だったからこそ、セシルのもろく激しく揺れる心が描けたのです。

「悲しみよこんにちは」は、女子高生にもぜひ読んでもらいたい小説。時代や国は変わっても、10代の揺れる心には共通するものがあるはず。その年齢の只中にいる人にしか分からない気持ちが見つけられるのでは。

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