心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
夏の終わりに似合う1冊として小川洋子さんに選んでいただいたのは「悲しみよこんにちは」。フランスの作家フランソワーズ・サガンが1954年に発表した作品です。主人公は17才の少女セシル。彼女が南フランスでバカンスを過ごすひと夏が綴られています。海辺の別荘とヨット、車とジャズ、タバコと真夜中のバー、そして父とその愛人。セシルが過ごす17才の夏は眩しいだけでなく、そこにはいつも「死」の匂いがつきまとっています。そして悲劇は、亡き母の友達アンヌが別荘にやってくることからはじまるのです。
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