心配してたお天気にも恵まれ、青空が広がる空。
大きな荷物を持って誰もいないホームについた瞬間、風がビュンと吹いた。
もう近くまで来ている春に「まだまだ俺たちの時間だ」といわんばかりの乾いた冬の風が、私たちを歓迎してくれた。これから来る「出会い」という春の前。今はまだ3月。別れの季節。
コートの襟を立て、逃げ出すように小さく固まってタクシーに乗り込み5分ほど走ると、住宅地の中からひょっこり白い校舎が顔を出した。