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10/11 ZEPP OSAKA

そこにはさっき2階から見た景色とは全く違う景色が広がっていた。声、息遣い、熱気。全員がステージを見ている。それは空っぽの反対。スクリーンに映像が流れ、黒板にSCHOOL OF LOCK!の文字が書かれる。いつものギターチャイムの音が鳴ったら、授業開始!
ステージを右から左へと旗を持って走る校長とブラックスパイダーマンとなった教頭が会場を温めていく。と、突然校長が腹痛を訴えた。「イタタタタタタタタ…おなかが痛い」そのまま舞台袖にはけてしまう校長。きょとんとする会場に向かい、一人のこされた教頭先生が語り始める。
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「これまでほとんど音楽とは無縁でした。音楽を聴く事はあっても、自ら音楽を奏でる事はなかった。そんな男が30歳を過ぎて、はじめてギターに触れました。もちろん10代のようにすぐに上達はしません。それでも彼はたった一曲だけ、一曲だけ繰り返し繰り返し練習しました。
いつはじめたっていい。うまくなくたっていい。やってみる事が大事なんだ。彼は演奏を通して僕らにそう伝えています。ZEPP大阪オープニングアクト。山崎樹範ソロプロジェクト…レミオシゲン!!」

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サングラスを外した校長がギターを持って登場。少し恥ずかしそうに、ギターを膝にのせ、歌い始めた。

「な…、流れる季節の真ん中で…」
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そう。校長がたった一曲練習し続けたのはレミオロメン先生の「3月9日」。会場から手拍子が起こる。最後はマイクを通さずラララ…の大合唱。今まで聴いてきた校長先生の歌の中で一番酷かったのに、一番胸にきたのはどうしてだろう。


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