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10/12 ZEPP FUKUOKA

「俺たちだけヤングフラッグじゃねーな…ミドルフラッグ?」
「いやー、そんなヤン "ギ" な僕たちもですねー…」
「ヤンギって (全員笑)」

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喜多先生の肝心なところでのナイス噛みで本番前の楽屋は和やかな空気に包まれる。
「若いパワー吸収します」
和やかな中に感じる。俺らだってやらかしてやんぞ。そんなテンションを感じる。
トリはASIAN KUNG-FU GENERATION。

2アーティストのLIVEで2回昇天した。初LIVEで慣れない筋肉と体力を消耗してるヤツも多いはず。
僕も軽くグッタリしてトイレに行った。
やばい。どいつもこいつも、『次はアジカンだ』っていう目をしてる。キラキラしてる。とか詩的に表現しようと思ったら、
「アジカン楽しみだねー」「ねー」
言っちゃったよ口で。そこの女子2人。表現もクソもねーよ。僕も隣に並んで「ねー」って言ってやろうかしらとか一瞬思ったけどやめた。
トリはASIAN KUNG-FU GENERATION。

数多い僕の後悔メモの1つに、「アジカン先生のLIVEを観たことがない」というのがあって、それはもうただただスケジュールが合わなかったことに尽きて、今年のROCK IN JAPANでようやく初めて観れたんだけど、まだまだ全然足りなかった。
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SCHOOL OF LOCK!の講師としてのアジカン先生の "授業" は、無言でのセッションから始まった。
ZEPPに広がる、アジカンの音。ROCKの講師の音。しびれる。
ゴッチがぶっきらぼうにヒトコト。
「ASIAN KUNG-FU GENERATIONです。1曲目アフターダーク」
潔先生のドラムが跳ねる。客席から爆発音みたいな歓声が上がって何千という手が一斉に振られる。たまんない。もうたまんない。座って観てたけど立って近くまで走って行っちゃった。
"Re:Re:"、"リライト"。喜多先生のリフで背骨が震える。何も考えられない。拳を突き上げてゴッチと一緒に叫ぶことしかできない。突き動かされるような衝動。"アガる"。まさにその状態。
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ゴッチのMCは、いつもとは少し違う。何と言うか…MCというよりも、授業中の…先生の雑談? そんな感じ。
「俺は月9のドラマとか見ないでラジオ聞いてるような、君らみたいな変なヤツが好きです。俺も月9見ないし」
「SCHOOL OF LOCK!はねー…いい番組だよねー…」


「ゴッチ〜かっこいい〜!」
若干空気を読まない女子の歓声が、間が悪く飛んだ。
ゴッチはピクっと話すのをやめた。一瞬の間ののち、
「うるさいよ、ブス♪」
沸くZEPP FUKUOKA。ゴッチたまんない。大好き。
完全にアジカン先生が、生徒からパワーを吸収している。幸せに包まれた波が、アジカンというアンプを通して増幅されて客席に帰っていく。幸せの永久機関。ああずっと続いて欲しい。生徒たちは跳ね、手を振り続ける。
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もうセットリスト書いちゃう。"或る街の群青"、"君の街まで"、"ループ&ループ"、"アンダースタンド"、"君という花"。アンコールで "遙か彼方"。ただただ幸福と興奮の50分。アンダースタンドの『オィ!! オィ!! オィ!!』…やりたかったんだーコレ。

「俺らは別に何も偉そうなことなんて言えないから」
アジカン先生がいつも言うように、彼らはひたすら演奏を続けた。何も考えずに、胸の奥から突き上げるままに叫んで跳ぶ時間。彼らはそれをくれた。
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「1人で来てるらしき男の子がいてさー…声を出すって言うより、口の中でモゴモゴ口ずさんでて、何か良かったなー」
喜多先生が言った。ASIAN KUNG-FU GENERATIONは、ずっと生徒を観てた。それは校長教頭も同じ。


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