席に着き、しばらくすると開演時間の午後3時に。しかし、ライブが始まる様子はありません。ソワソワする観客をよそに、会場全体にアナウンスが流れます。
「“3月9日”ということで、開演時間は“3時9分”とさせていただきます」
拍手喝采の客席。2人の表情にも笑顔が溢れます。
そして、2024年3月9日3時9分、藤巻先生が舞台上に登場!会場割れんばかりの大歓声の中、いよいよ「THANK YOU LIVE 2024」の開演です!
1曲目は『Sakura』。「さくらの花が咲いているよ」から始まるこの季節にぴったりの1曲。藤巻先生を初めて目にした2人は、1曲目から魂を込めて歌い上げる姿に目を輝かせます。
『Sunshine』『シーズンドライブ』『太陽の下』と名曲が続く中、7曲目に届けられたのがRN まーちゃんが好きな曲とこぼしていた『北極星』。
「僕らが過ごした 時間は永遠だよ」「終わりがきたとしても それは始まりの意味」
18歳。旅立ちを迎える今の2人とリンクする1曲です。
「本当の言葉を 本当の気持ちを 届けたいな ありがとうを」
この曲のサビの一節をRN はたけは感慨深そうな表情で聴いていました。
2人の出会いは、高校の陸上部。RN はたけは三段跳び、RN まーちゃんは100m走の選手として入部。
競技は違いながらも、3年間共に同じ部活で汗を流し、関係を深めていきました。
一番の思い出は共に出場した県大会。お互い結果はボロボロだったものの、自分のベストを尽くし、同じ舞台に立てたのは印象に残っていると話します。
仲の良さが顔に表れているのか、よく兄弟だと間違われるという2人。
RN はたけは、そんな親友に感謝の思いを伝えたいとライブ前に話していました。
「これからもずっと友だちだし、大学で離れてもずっとよろしく!」
思いは歌と共にRN まーちゃんの元にも届いていきます。
新曲「桜の花が咲く頃」では、2人も手を振ってノリノリに。
ライトもサクラ色に輝く中、ライブはさらにヒートアップ!
『南風』『雨上がり』『スタンドバイミー』・・・
2人は手を突き上げ、時折ジャンプをして、藤巻先生の声に応えます。
そして来たる19曲目。
「当時はこんなに歌い継がれると思っていなかった」
「明日からの幸せな日々を祈って歌います」
そう前置きした上で始まったのは…『3月9日』。
「流れる季節の真ん中で ふと日の長さを感じます…」
ゆっくりとした口ぶりで歌い出した藤巻先生に会場中の視線が注がれます。
RN はたけ、RN まーちゃん、2人が生まれる前に誕生したこの曲。
それほど長い歴史を誇る1曲に2,500人の観客がそれぞれの想いを重ねます。
職員の目には、2人が陸上部で出会ったその時から一緒に過ごした3年間の瞬間瞬間を1ページずつ、歌詞に重ねているように映りました。
一度、藤巻先生らがステージ上から去ったものの、観客からは止まる事のない拍手。
息つく暇もなく、アンコールへと突入!
藤巻先生は曲を披露する前に『3月9日』を通して知った事実と、それを受けて感じた想いを語ります。
「『3月9日』のおかげで、全国の高校に行く機会が増えた」
「高校生と話す中で“思い出を共有する時間がなくなった”と聞いた」
「自分自身にも高校生があった。縁があって高校生と出会う中で、一度きりの人生、ありのままの自分でいてほしいと思った。そんな中でできた曲です」
そんなMCを受けて、アンコール1曲目に披露されたのが新曲『ありのままの君へ』。
そしてライブの最後には、会場全体で『3月9日』の大合唱。
これまでの卒業式では校歌以外に合唱もなかったという2人も、今までの思いも込め声を出します。
「あなたにとって私もそうでありたい」
歌い終えたその表情は、今まで実感の湧かなかった“卒業”を自分たちの中で噛み砕いたように見えました。
「最高でした!」「東京まで来てよかったです!」
終演後、興奮気味の2人にSCHOOL OF LOCK!からサプライズ!
なんと、さっきまでステージに立っていた藤巻先生へお礼の挨拶をすることに!
「やばい!やばい!」「えっ本当っすか!?」
少々、テンパりながらも、しばらく待っていると…2人の前に藤巻先生が!
「SCHOOL OF LOCK!の生徒たちです」と聞くと「寒いのに来てくれてありがとね!」と思わず笑顔が溢れる藤巻先生!
「とっても引き込まれました」と感想を伝えつつ、最後は記念写真をパシャリ!
3月9日が心に残る記念日になったかな?
「卒業の実感が湧かない」「一山超えた友達と共に、ひとときの夢を見たい」
そう話していたRN はたけ と RN まーちゃん。
2人が歌詞を、メロディーを身体全体で受け止め、未来へと思いを馳せる姿、とっても素敵でした!
改めて、はたけ!まーちゃん!卒業おめでとう!