2025年も残すところ1週間を切りました。この年末年始は、最大9連休。
久しぶりの人と会ったり、お酒を飲んだり、誰もがなんとなく浮かれている時期。
クルマの運転にはくれぐれも気をつけるべきですし、
身近の誰かがクルマの運転をする前には、安全運転の声がけをしましょう。
あなたの一言が大切な誰かを事故から遠ざけるかもしれません。

今回は“飲酒運転ゼロ・交通事故ゼロ”の社会を企業に提案する
イシュー・マネジメント株式会社 代表取締役 伊倉 大知さんにお話を伺いました。





年末年始に、身近なドライバーに声をかけてほしい言葉。
1つ目は「お酒を飲んだら、絶対に運転しないでね。」
会食やお酒の席が増え、アルコールに触れる機会が多くなります。
お酒を飲むと少量でも判断力や注意力が低下して
大丈夫という過信につながりやすくなります。
だからこそ「お酒を飲んだら絶対に運転しないでね」という声掛けは大切。
代行や公共交通機関を使うその選択が命を守り
周りの人を悲しませない行動になります。





去年、令和6年の飲酒運転による交通事故件数は2,346件。
前年と同数でしたが、死亡事故は140件で前年より25%増加しました。
飲酒運転の死亡事故率は、飲酒していない場合の、およそ7.4倍です。
ハンドルを握るかた自身はもちろん
周囲も身近な運転者がお酒を飲んで運転しないよう注意を促しましょう。

続いて、年末年始のドライバーに声をかけて欲しい言葉は
「暗くなる前に早めにライトを点けてね」。
年末年始は日没が早くなり、夕方は特に見えにくくなります。
早めに前照灯=ヘッドライトをつけることで前方の見やすさが上がるだけでなく
周囲の車や歩行者に自分の存在を知らせることができます。
まだ明るいから大丈夫ではなく、暗くなる前にライトをつける、
このことで出会い頭の事故や歩行者との接触事故を防ぐ大切な安全対策になります。





交通事故の発生件数を月別に見ると、例年最も多いのが12月。
原因の1つが、最も日没時間が早い月であることです。
薄暗くなったらヘッドライトを点灯するようにしましょう。
ヘッドライトには、こちらの視界を確保するという意味だけでなく
他のドライバーや自転車利用者、歩行者にクルマの存在を知らせる意味合いもあります。





そして、クルマに乗って出かける人だけではなく
歩いて、あるいは自転車で、あるいはオートバイで出かける
身近な人にも「道路に気をつけてね」と声をかけましょう。

年末年始は交通量が増えて慣れない道を走る車や歩行者、運転者も多くなります。
道路に気をつけてねという声掛けは、交差点や生活道路で一度立ち止まって周囲を見る
という意味も込めています。いつもの道では状況は違います。
道そのものに注意を向けることが、思わぬ事故を防ぐ第一歩になります。




内閣府のWEBサイトによると令和2年〜6年の歩行中の
発生月別 交通事故死者・重傷者数は12月が最多で5,079人。
次いで多いのが1月の3,923人。

やはり年末年始は、特に子どもやお年寄りが出かける時は、
道路に気をつけてね!と声をかけるべきですね。
そして、明るい色の衣服を着ることや反射材の着用も促して下さい。

さらに交通事故で亡くなる歩行者の多くに
信号無視や、横断歩道が近くにあるのに
それ以外のところを横断するといった交通違反が見られます。
「交通ルールを守ってね」という声がけもしましょう。

大切な人に声がけをして、
くれぐれも安全で楽しい年末年始を過ごして下さい。

ふだん、あまりクルマを運転しない方が、
この年末・年始にハンドルを握る機会があるかもしれません。
運転の基本の1つがアクセルとブレーキの使い方。
正しく操作しないと前後の車との衝突事故に繋がってしまう恐れもあります。
今回はアクセルとブレーキの上手な操作についてお伝えしましょう。





今回、お話を伺ったモータリングライター 藤田竜太さんによると
昨今、ブレーキとアクセルの踏み違いによって多数の事故が発生。
大きな社会問題となっています。

そこまで極端ではないにせよ、車はブレーキを踏むと前のめりになり
アクセルを踏むと車体が後ろ下がりになるので、
ペダルワーク次第ではかなり車体が不安定になり、姿勢を乱すことに繋がります。
スムーズアンドセーフティ、そしてスマートな運転はペダル操作にかかっています。
運転に自信のない人は今一度ペダル操作の基本を見直して下さい。





アクセルワークで大事なのは「アクセルはスイッチではない」ということ。
アクセルを少し踏んで、しばらく進むとパッと戻し、
その後も踏んだり戻したりしながらクルマを走行させる人が時折いますが、それは悪い例。

アクセルは、発進する時や加速する時は、ある程度、力強く踏んで、
巡航速度に達しそうになったら少し緩めて、そのままアクセル開度をキープするのが基本。
車間距離が詰まってきたり、信号などで止まりそうな時は、
手前から緩やかにアクセルペダルを閉じていきます。

いずれにせよ、急の付く操作は厳禁。踏む時も戻す時も緩やかに。
そのためには足首を柔らかく使い、右足のかかとはブレーキペダルの真下の床につけて、
かかとを支点にアクセル開度0から全開までを10段階ぐらいに踏み分けられる
繊細さを持ってコントロールできるように意識しましょう。
かかとをブレーキペダルの真下につけておくのは、
いざという時に素早く正確にブレーキペダルを踏むためです。

また、車は走行中、アクセルもブレーキも踏んでいない時に一番不安定になります。
カーブに差しかかった時は手前で十分減速して、
少しでもアクセルを踏んだ状態で曲がれるようにすることが肝心です。

また、オートマ車は、シフトをDにしてブレーキから足を離すと、
アクセルペダルを踏まなくても、ゆっくり前進することを念頭において下さい。





続いてブレーキペダルの正しい使い方。
ブレーキは、まず大事なのが、運転席に座った時のポジション。

ブレーキは危険回避に最も重要な操作。
いざという時のためにフルブレーキをかけることを想定しておくことが第一です。

具体的には、シートポジションが一番大事になってきます。
シートに腰掛けたら、背中や腰裏と背もたれとの間に隙間ができないよう奥深く腰掛けます。

そして、エンジンをかけた状態で、ブレーキペダルを思いっきり奥まで踏み込んでも
膝が伸びきらずに少し曲がっているぐらいのところまで座面を前に動かしてください。

乗り降りのしやすさを優先してペダルまでの距離が遠い人が結構いますが、
ペダルまでの位置が遠く、つま先だけでペダルをちょこちょこ動かすようでは
正しいペダル操作は出来ない上、いざというときに危険です。





ブレーキは運転中に危険を回避する最も大切な手段。
面倒臭いからと適当にならず、とっさの時にすぐ踏み込むことが出来る
ポジションに座りましょう。

ブレーキの踏み方のポイントは、右足のかかとをブレーキペダルの真下の床につけて
そこを支点にブレーキペダルの中心を右足の親指の付け根で踏むこと。
この時、左足はフットレストに置いておき、体を安定させるのに使います。
時々、車間距離の調整に細かくブレーキを踏む人がいますが、上手な運転ではありません。

通常の車間距離の調整などは極力アクセルワーク、
つまりエンジンブレーキを使って調整するのが車をギクシャクさせない秘訣です。
停止する時は、ブレーキの踏み始めから停止寸前までほぼ同じ踏力で操作するのが上手な運転。
停まる寸前にわずかにブレーキを抜いてあげると、車体がガクンせずスマートです。
反対に、一回の制動でブレーキを何度も踏んだり戻したりするのは NG 。

そして、万が一、何かにぶつかりそうになった時は、車が完全に停止するまで
ブレーキを全力で踏み続けることが一番被害を少なくすることだと覚えておきましょう。





運転に不慣れな方はもちろん、慣れている方も、
冬は路面が凍結していることもあります。
アクセル、ブレーキはくれぐれも正しく、慎重に操作して下さい。
先日、2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーが発表されました。
今年の対象になったのは国産車・輸入車の合計35台。
選考委員60名が、それぞれ10台に投票して集まったポイント数で、まずは10ベストカーが決定。
その中から日本カー・オブ・ザ・イヤー、インポート・カー・オブ・ザ・イヤー、
デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー、テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーが決まります。





対象車を見渡すと、今のクルマのトレンドが見えてきます。
日本自動車ジャーナリスト協会 会長で日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員 
菰田潔さんによると、目立つのはまずCO2排出量=燃費。
燃料消費が少なければCO2排出も少なくなるということで
そのためにエンジン付きでもハイブリッド車が当たり前になっています。

次に安全性。衝突したときの乗員の安全性は当然として、
レーダーやカメラを使ったADAS=先進運転支援システムによる
自動ブレーキなどの衝突被害を軽減する機能も多くの車に付いています。

もちろん運転の楽しさも重要。
エンジンやトランスミッションなど、最新のもので走りを良くしたり
あるいはハンドリング性能を磨き上げているクルマが増えています。

例えば、ホンダのプレリュードも非常に楽しい車でハンドリング性能すごくいいそう。
また、フォルクスワーゲンのID.Buzzは、全然クルマを知らない人が、
走っているのを見て「面白い」「カッコいい」「乗ってみたい」と言うそうで
そういうふうに注目するような車が増えいるとのことでした。
そんなトレンドの中で、今回10ベスト・カーに選ばれたのは以下の車種です。























この中から日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのはスバル フォレスター。

走行性能、実用性、快適性、オフロード性能、そしてスバルが一貫して
重視してきた安全性を高い次元で融合したSUVとして高く評価された。
待望のストロングハイブリッド(S:HEV)の採用により、独自技術である
水平対向エンジンは、燃費性能と走りの愉しさを両立する
“SUBARUらしい環境エンジン”へと進化。
さらに、アイサイトXをはじめとした先進運転支援技術や、
歩行者だけでなくサイクリストの傷害低減にも寄与するエアバッグなど、
安全装備の進化も高い評価を集めた。


との評価を受けました。
「ぶつからない車」というテレビCMで有名になったスバルのアイサイト。
これはカメラで障害物を発見し、ブレーキがかかり避ける機能。
現在では法律もできてADASを装備する車が増え、こうした性能が一般的になりました。

菰田さんによると、新型フォレスターはゼロ次安全といって
走る前の段階から死角を少なくする点に注力をして設計したとか。
ピラーが邪魔にならないような形にして、ドアミラーの形状と取り付け位置を工夫して
隙間からきちんと障害物を発見できるようにしてあるということです。

また、歩行者だけではなく、サイクリストなどのぶつかった場合、
傷害低減にも寄与するボンネットエアバッグなどの安全装備の進化も充実している点で
目を見張るところがあると菰田さんはおっしゃっていました。

海外では車同士の衝突や自車がどこかに衝突して死傷する事故が多いですが、
自動車が歩行者や自転車利用者と衝突して交通弱者が死傷する事故が多い日本。
それに対して非常に大きな対策を施したという車になっているわけです。

菰田さんは、それを評価しながらも私たちドライバーが、
クルマの機能や性能に寄りかかるだけではいけないと警鐘を鳴らします。
あくまでもキーポイントはドライバー。
いくら最新の安全装置が付いていたとしても、ドライバー自身が安全運転しようという
意識を持って事故を起こさないように細心の注意を払って運転しなければなりません。
安全装置はドライバーの「ついうっかり」を助けてくれる可能性があるだけ。

我々ドライバーも意識をバージョンアップして、
楽しみながら、安全に配慮して、ハンドルを握るようにしましょう。
«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 186 | 187 | 188 || Next»