車に乗っている時、大地震が起こったら
あなたはどんな対応をとりますか?

自宅や職場にいて大地震が発生!
避難をしなければという時、クルマを使いますか?

クルマは早く逃げられる手段であり
一方でリスクも伴います。
今日は東日本大震災から8年。
大地震が起こった時のクルマの運転について
ふだんから考えておきましょう。

今週と来週は「大地震の発生とクルマの運転」をお伝えします。
前編の今週は「クルマに乗っていて地震が起こった時の対応」について。





気象庁の地震の「震度」解説によると
屋外では「自動車を運転していて、揺れに気づく人がいる」のが「震度4」。
屋外ではさらに電線が大きく揺れています。
一般の人の【体感】【行動】は・・・

ほとんどの人が驚く。
歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。
眠っている人のほとんどが、目を覚ます。


屋内の状況は・・・

電灯などの吊り下げものは大きく揺れ、
棚にある食器類は音を立てる。
座りの悪い置物が、倒れることがある。

        
多くの方がクルマの運転していた時に
地震があったのを知らなかったという
経験をしたことがあるのではないでしょうか?

クルマは振動や衝撃をタイヤのサスペンションで吸収するよう作られています。
運転している時は地震に気付きにくいもの。
震度4で「気づく人がいる」というレベルですから
気づいた時は「大きな地震かもしれない」という認識を持ちましょう。

ちなみに震度5強になると屋外では・・・

「窓ガラスが割れて落ちることがある。
ブロック塀が崩れることがある。
自動販売機が倒れることがある」

       
と同時に「自動車の運転が困難となり、停車する車もある」
という状況になります。





クルマを運転している時に揺れに気付いたら慌ててはいけません。
事故につながります。国家公安委員会作成の「交通の方法に関する教則」では

まずは「急ハンドル」と「急ブレーキ」を避ける。
そして、周囲のドライバーが危険な運転をするかもしれません、
安全を注意しつつ、ゆっくり道路の左側にクルマを停車する。 
       
停車する場所にも注意を払いましょう。
周囲を確認して看板や瓦などの落下物がありそうなところや
電柱や標識など何かが転倒してきそうなところは避ける


安全な場所にクルマを止めたら
正確な情報をキャッチしなければいけません。
揺れている間は車内で身を守る。
揺れが落ち着いたら、カーラジオやスマートフォンで、
地震の情報と交通情報を収集。

情報や周囲の状況に応じて行動しましょう。





この時に気をつけるべきことがスマホに没頭しすぎないこと
自分がある状況をtwitterで発信しすぎる。何か情報を追いかけすぎる、
家族や友人と連絡を取りすぎるといったことには要注意。
次の危険が迫っていないとも限りません。
周囲の状況をきちんと把握しましょう。

クルマを置いて逃げなければいけない時は、
できる限り、駐車場や空き地など、道路外に停止してから。
やむを得ず、道路に置いて避難する時は・・・

道路の左側に寄せて駐車する。
(避難する人や緊急車両が通れるようにするため)

エンジンを止めて、エンジンキーは付けたままにする。
車内の分かりやすい場所に置いておく。

(必要であれば移動できるように)
       
窓を閉めてドアはロックしない。


この時にできればダッシュボートやフロント部分に
名前と連絡先を書いたメモなどを残す

さらに車検証を持っていきます。
盗難にあっても免責とならず
保険金が支払われるための対策です。

車を置いて逃げることはせず
引き続きクルマを走行していく場合は
道路の破損や信号の停止といった危険があるかもしれません。
十分に運転環境に気をつけて運転しましょう。




交通事故数を月別に見ると3月はかなり多い月!
12月は「師走」でお坊さんも走る忙しい月とされてきましたが
3月に決算がある会社が多い現代社会。
年度末は忙しく運転手も気が急いているのでしょうか?




      
しかし、いくら忙しくても交通事故が増えてはいけません。
2月半ばに警察庁が発表した「平成30年中の交通死亡事故の発生状況」。

それを見ると年間交通事故発生件数は39万471件。
月別の速報値では・・・

? 位 12月 39,874件
? 位 10月 38,131件
? 位  3月 37,806件
? 位 11月 37,203件
? 位  7月 36,763件


そして、交通事故死者数は年間で3,532人。
前年の2017年は統計開始以来の過去最少でしたが、
2018年はさらに下回り、前年より162人減りました。
月別ではどうだったかというとやはり12月と10月がワースト2。

? 位 12月 410人
? 位 10月 338人


そのあとは・・・

? 位 11月 326人
? 位  8月 296人
? 位  3月 282人


ということで、去年2018年を見ると、
3月は交通事故の発生数で?番目。
死者数では?番目に多い月となっています。





ちなみに都道府県別の交通事故死者数は
愛知県が16年連続のワースト?位で189人。
ワースト?位が千葉県の186人。
ワースト?位が埼玉県の175人でした。
人口10万人当たりで見るとワースト?位は福井県。
人口10万人あたり5.26人となっています。

交通事故死亡者が多い愛知県では
色々な交通安全のための情報を発信していますが
過去5年の交通事故を分析して
月ごとの「交通事故防止のPOINT」を
WEBサイトにPDFファイルで掲載しています。

3月の「交通事故防止のPOINT」を見ると
交差点における死亡事故の比率が年間で最も高い。 
年間の平均は62.3%なのに3月は78.3%


月ごとの棒グラフを見ると確かに突出している
2番目の10月でも68.1% すなわち10%以上も高いのです。
事故原因を分析によると車両側の多くが
歩行者妨害や信号無視などの法令違反が伴っているとのこと。

さらに3月の「交通事故防止のPOINT」は
働き盛りの世代が出勤途中に多く死亡している。
多くは歩行者・自転車で死亡事故を通行目的
「通勤」で見ると3月は13人で 12ヶ月で最も多いのです。
しかも、30代+40代での7割を占めています。
これは年度末で急いでいることも関係しているのでしょうか?

自転車あるいは歩行で通勤している方は
急いでいてもクルマへの注意を怠らないで下さい。
信号無視や横断歩道がないところでの道路の横断はやめましょう。

愛知県警はこれらの分析結果を踏まえて
「年度末で何かと忙しい時期ですがドライバーの方は時間と心にゆとりを持ち、
歩行者保護を意識した運転をお願いします」と注意喚起しています。

この3月の交通事故のポイントは愛知県に限らず
全国的にも当てはまることもあるでしょう。
参考にして、気をつけて下さい。





また、北海道警察も過去5年間の死亡事故を月別で分析しています。
公式WEBサイトを見ると、この5年で死亡事故は47件、死者48人。
いくつか愛知県とは違う分析結果を抜粋すると・・・

事故類型別では「人対車両」が最も多く 
次いで「車両単独」が多い 


事故類型別では「人対車両」が最も多く 
「人対車両」の死者のうち7割以上が高齢者 


高齢者が被害者となる事故の割合は増えています
ドライバーのみなさんは要注意

2番目に多い「車両単独」は9割以上が非市街地で発生 
3割以上がスリップを伴う事故
 

積雪、凍結のある地域では気温が上がり、
雪や氷が溶けてクルマが滑る道路環境に気をつけて下さい   

年度末の3月。
忙しさと、道路環境の変化で交通事故を起こさないように
交通事故に遭ってしまわないように充分気をつけて下さい。




日本では高速道路の本線車道を走る場合
速度指定がない区間以外では普通乗用車の最高速度は時速100キロ。

2017年の終わりから この最高速度の引き上げ試験が行われていますが
明日3月1日からは2つの高速道路の一部区間で時速120キロになります。

1つは新東名高速道路。
新静岡IC〜森掛川IC間の上下およそ50km。





もう1つは東北道。
花巻南IC〜盛岡南IC間の上下およそ27km。





気をつけていただきたいのが
最高速度120キロになる対象車両は・・・

● 大・中型乗用自動車 
● 中型貨物自動車 
● 準中型自動車
● 普通自動車 
● 125?を超える自動二輪車


大型トラックやトレーラーなどの最高速度は時速80キロ。
120キロで走っていい区間は上記の一部区間だけです。
お間違えなく。

明日から最高速度120キロに引き上げられる区間は
1年間、最高速度100キロから110キロへの引き上げが試行されてきました。

その結果を警察庁がまとめたところ
交通量が少ない状況では・・・

<死亡事故>
  
 新東名
 試行開始前1年間 0件 → 試行開始後1年間 0件

 東北道
 試行開始前1年間 1件  → 試行開始後1年間 0件


<けが人が出た事故>
 
 新東名 
 試行開始前1年間 14件 → 試行開始後1年間 8件

 東北道
 試行開始前1年間 3件 → 試行開始後1年間 2件


また、追い越し車線の平均速度は試行前とほぼ変化なし。
静岡県警察・岩手県警察がパトロールを強化したそうなので
その影響も考えられますが。

これら検証結果から交通安全に支障がないという判断で、
さらに110キロからさらに10キロ引き上げされて、
最高時速120キロ試験を行うことになったのです。

また、当該区間の利用者へのアンケートも行われました。
対象者は1,600人。

そのうち、およそ9割が最高速度の引き上げを認識して走り、
8割が試行前・・・ つまり最高速度100キロの時と比べて、
速さに不安を感じなかったと答えています。
        
そして「他の路線・区間についても規制速度の引き上げをすべき」と
答えた人が6割を超えました。

最高速度120キロの試行期間は、平均速度の上昇率や
交通事故の発生状況などの分析を行うために最低1年。

安全性を確認できれば他路線・区間への拡大が検討されます。
その対象になるのは、カーブや勾配が緩やかで見通しが良いなど、
条件が整った「高規格」とされる高速道路。
2区間を含めて北海道から九州まで13路線19区間です。

世界各国と比べると日本の「最高速度100キロ」はかなり低い設定。
それなのに死亡事故発生数は比較的多いという指摘もあります。
理由は他国に比べて制限速度をオーバーしてもスピード違反にならない
「許容範囲」が大きすぎるからだとも言われます。

どうでしょう?
高速道路では20キロオーバーまでは大丈夫とスピードを出していませんか?

「最高速度が上がるといい」と思うなら速度規制に従った運転が求められます。
そのことは十分、留意して下さい。

そして、最高速度が120キロになったからといって、
怖さを感じるドライバーはギリギリまで出す必要はありません。

«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 93 | 94 | 95 |...| 161 | 162 | 163 || Next»